2022年12月13日
晩秋の雨上がりのある朝のことです。屋内相撲場周辺を巡回中にとても不思議な光景を目にしました。一本の木が息をしています。
えーっ??・・・ おそらく雨で樹皮についた水分が朝日を受けながら蒸発する時、差し込む光の角度や風向き、湿度、温度、私の立つ位置など、いくつもの条件が重なり、吐く息のように見えたものと思いますが、紅葉が終わった今、葉のない木に対するわれわれの関心は、どちらかというと薄れてきています。そうした中、われわれにその存在をアピールするために白い息を見せてくれたのかと勝手に荒唐無稽な解釈をしています。 そのあと、周りにある木を何本も見ましたが、呼吸しているのはあの木だけでした・・・。もう一度、あの木のところへ戻り、お疲れさまと念じながら、色とりどりの葉を支ええてきた枝やその枝を支えた幹をじっくり眺めました。館内へ戻る途中、もしかしてと振り返ると、さっきまで見えていた白い息は見えなくなっていました。(見る角度がまったく変わったため、当然といえば当然ですが・・・) 見事な紅葉を楽しませてくれていた時は葉の方ばかりに目が行き、その葉を支える枝や幹のことを意識することはほとんどありませんでしたが、呼吸を見せてくれたおかげで紅葉という大役を終え、ゆっくりと休む一本の木とコミュニケーションを深めることができました。
| 日記 | 07:00 AM | comments (x) |
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